★★★★まぐれ 投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
買ったきっかけ:
昨今の金融危機をかねてから予期していたことで、ブラックスワンとともに売れている本。原題:Fooled by Randomness。
感想:
面白かった。既存の経済理論がなぜ役に立たないかを、人間は理性的に生まれてついていないことを、しつこく、面白く解説してくれる。
おすすめポイント:
たまたまの出来事にだまされるのは避けられない。できることといえば、ただ、そういうことになるのを美的に楽しめる分野だけにしておくことだ。(i)
芸術は真理追求の術だなんて言う人はほとんどいない。あれはむしろ、真理から逃れたり、真理をもっと快いものにしようという試みだろう。(6)
おおざっぱに言って、エルゴート性とは(ある条件の下で)非常に長いサンプル経路が皆お互いに似た結果に行き着くことを指す。(81)
一方で私たちは宗教やごく個人的なことではものすごく合理的で科学的になり、他方では偶然に左右されるような物事になると非合理極まりない態度を取る。(104)
ファイナンスが(データ・マイニングや生存バイアスといった分野において)そんなにも実り多い分野なのはどうしてだろう? それは、(価格の時系列データという形で)情報はたくさんあるけれど、たとえば物理と違って、実験を行うことができない研究分野だからだ。過去のデータに頼っているからこそ、この分野には特有の問題が生じるのである。(189)
人は情緒がなくては意思決定ができないのである。
情緒があるおかげで、私たちは煮え切らない態度をとらずにすんでいるのである。(248)
コツは、価格の変化率が大きいときだけ注意することだ。何かの価格が普通の日よりも大きく変化しないかぎり、それはノイズだと考える。(263)
信念に経路依存性(経済学者はそれが表に現れることを所有効果と呼んでいる)があるかどうかを調べる簡単なテストがある。2万ドルで買った絵があり、芸術品市場の状態がよかったおかげで、今では4万ドルになっているとする。もしも絵を持っていなかったとしたら、あなたは今の価格でもその絵を買うだろうか? もしも買わないなら、あなたは自分のポジションと結婚してしまっている。今の市場価格で買わないなら、その絵を持ち続ける合理的な理由はない。あるのは情緒的なこだわりだけだ。自分のアイデアと結婚して墓場までずっと一緒の人はたくさんいる。一連のアイデアのうち、最初の一つが他を圧倒しているとき、信念に経路依存性があると言う。(290)
震える心を抱きつつも。噛み締めた唇はいらない。感情を抱くのは間違っていないし恥じるべきことでもない。私たちは感情を抱くようにできている。間違っているのは、勇敢な道、少なくとも尊厳ある道を選ばないことだ。(299)
セネカの「理性主義者からの手紙」
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まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
著者:ナシーム・ニコラス・タレブ | |
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